26.リチャード・スターザック

リチャード・スターザックは、「ひつじのショーン」シリーズの生みの親で、通称ゴリー監督。1983年にアードマン・アニメーションズに入社した大ベテランであり、長年に渡ってアードマンに貢献してきたスタッフの一人です。9年間社員として働いた後、フリーランスとしても活躍、そして再び2005年に会社に戻ってきました。『レックス・ザ・ラント』シリーズや、『快適な生活』のリメイク版を作るなど精力的に作品を生み出してきましたが、一番の転機となったのが2006年に「ひつじのショーン」のテレビシリーズの監督を務めたこと。現在はショーンの制作を中心に、アードマンの放送・開発部門のクリエイティブ・デイレクターに就任して全体の統括にもかかわっています。ゴリー監督の描くショーンのコンセプトアートは、実写とはまた違う愛らしさがありますね。

25.ニック・パーク

アードマン・アニメーションズのみならず、クレイアニメ界を代表する世界的クリエイターといえばニック・パーク。幼い頃から映画づくりが趣味だったニックは、名門・国立映画テレビ学校での卒業制作で撮影していた『ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー』がきっかけで、1985年にアードマンに入社、スタジオの創生期を支えてきました。それ以降は4回もオスカーを獲得する売れっ子クリエイターとして、世界中に名をとどろかせています。アカデミー賞を『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』が受賞した2005年、同部門に『ハウルの動く城』でノミネートされていたのは、あの宮崎駿監督。ニックは宮崎監督のことを尊敬しており、互いにその才能を評価しあっているのだとか。

24.リップ・シンクについて

アードマン・アニメーションズのお家芸とも称されているのが、人形の口の動きと実際の声優の発音の口の動きを同調(シンクロ)させる、「リップ・シンク」という技法です。リップ・シンクとは英語で、「口パク」という意味。実際に人形が話しているようにしか見えないこの演出は「アー」や「ウー」など、発音のパターンに分けて作られた口のパーツをセリフの発音に合わせて付け替えるという、気の遠くなる作業のもとに成り立っています。差し替え用の口は20個以上もあり、混同しないようにキャラクターごとにボックスで整理されています。ひつじのショーンやグルミットは言葉を発さないので口の動きのパターンも少ないですが、ウォレスなどの言葉を話すキャラクターはそれ以上に撮影に時間が掛かることが、たやすく想像できますね。

23.クレイアニメができるまで(3) - 撮影の裏側 -

アニメーションの撮影は、まずはスタジオの準備から。同時に違うシーンが撮影できるように広いスタジオを30ものエリアに区切り、それぞれに撮影のセットを組みます。1つのエリアに1人のアニメーターがつき、照明や小道具、人形を使って撮影を行います。アニメーターは人形に動きをつけるお仕事。人形を少しずつ動かし、1コマごとにカメラのシャッターを切って、それをつなげることで「ストップモーションアニメーション」は出来上がります。気が遠くなるような時間がかかるため、1日の作業では、1セットにつきたった6秒分の映像しか作ることができません。しかし、現在は創業当初よりもはるかに多くのスタッフがいるため、分担して作業を進めることができています。撮影が終わったフィルムを編集し、効果音や音楽が加えられると作品の完成です。

22.クレイアニメができるまで(2) - モデルづくり -

お話に欠かせないのが「人形」。ほとんどはプラスティシンと呼ばれる乾燥に強く、筆で色付けがしやすい粘土で作られており、中には金属の骨組みが入っています。これが人形の関節となり、動きやポーズをつけられるのです。人形は手足や耳、目などバラバラに制作されており、撮影時にそれを組み立てて使用しています。舞台セットや小道具は本物の素材を使って作られており、美術監督を中心に、いかに人間の世界さながらのリアルな世界観が演出できるかを重視して創ります。実際にロケーションの写真を撮影して、それと比べながら質感にこだわったセット作りが行われているのです。アードマン・アニメーションズの作品に登場するすべてのキャラクターはひとつひとつ手作りで生まれています。個性豊かなキャラクターたちを作るためには、長い時間と努力が必要なのです。

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