history

「ウォレスとグルミット」の誕生秘話から現在に至るまでの歴史をご紹介します。

「ウォレスとグルミット」の誕生

「ウォレスとグルミット」の物語は、ニック・パークの学生時代に生まれました。それまで書きためてきたキャラクター、“ハンチング帽の男と猫”をもとに、卒業制作のアニメーションに取り組んだのです。
その後、猫は犬に変わり、最初に描いていた男性キャラクターから口ひげも消えましたが、“天才的な発明家とそのしっかり者の犬”というアイデアは、すでにニック・パークの学生時代に描かれていたのです。
研修で特殊効果について学んだニックは、“チーズを手に入れるため、自宅の地下室で作ったロケットで月を目指す男”を主役にした物語に取り掛かります。
その後ニックは、講演のため訪れたアードマン・アニメーションズの創設者、ピーター・ロードとディビッド・スプロクストンに、撮り終えたばかりのロケットのシーンを見てもらう機会がありました。
ニックのプロジェクトが、卒業制作のレベルではないと感じたピーターとディビッドは、アードマンでCM制作の仕事をする代わりに、スタジオのリソースを提供することを申し出たのです。
なんと、一つのエピソードを制作するのに、1年半もかかっていたのです。

*:国立映画テレビ学校

1989年

『チーズ・ホリデー(A Grand Day Out)』は制作開始から6年後(!)にようやく完成、1990年のクリスマスイブにチャンネル4で放送されました。
ウォレスの特徴的な声を担当したのは名優ピーター・サリス。
ピーターは制作中から、ウォレスのキャラクター作りに協力してくれていたのです。
しかし収録後はすっかり音沙汰が無かったため、6年後に突然作品の放送日を聞いてとても驚いたそうです。
『チーズ・ホリデー』は、ニックのもう一つの作品『快適な生活~ぼくらはみんないきている~(Creature Comforts)』と共に大きな話題を呼び、両作品ともアカデミー賞®にノミネートされ人々を驚かせました。
結局『快適な生活』が短編アニメーション部門を受賞、ウォレスとグルミットの『チーズ・ホリデー』は多くの人の心をつかみ、次回作の制作がすぐに始まりました。

*:イギリスの地上波公共テレビチャンネル

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